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固有品種の葡萄
| 固有品種の葡萄について
 

モルドバで栽培されている葡萄品種は、西ヨーロッパの品種、コーカサス地方の品種、およびモルドバ固有品種が含まれます。132,000ヘクタールの葡萄畑のうち、70%がコードル地域で栽培される白葡萄(Rkatsiteli、Sauvignon Blanc、Chardonnay、Aligoteなど)、30%が南部地域で多く栽培される黒葡萄(Cabernet Sauvignon、Merlot、Pinot Noir 、Saperaviなど)であり、現在はその全体の約5%を固有品種が占めています。

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​wineofmoldova.com より(2020年)

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Rara Neagra  ララ・ニャグラ

 古代ダキア人により栽培されてきた、歴史的に大変古いルーツを持つ品種と言われています。モルドバ共和国の植物品種のリストに最初に登録されたのは1946年で、南西部の陽気な気候に適しており、比較的多く栽培されています。

 ララ・ニャグラから作られた高品質のワインは、IGPステファン・ヴォダ(モルドバ南西)ープルカリ、ラスカイエツィ、レウンテア、タルマズ、カウシェニなどの地域で作られています。モルドバでのララ・ニャグラの畑の面積は、土着品種の品種の中では4番目の広さで約230ha程。1950年以来、ルーマニアでは べべアスカ・ニャグラ、モルドバではララ・ニャグラという名前で広まり、ウクライナと米国ではSereksia / Sereksiyaと呼ばれています。シュテファン大王のお気に入りのワインの中には、ニコレシュティ(現在のガラツイ)で生産されたララ・ニャグラのワインがありました。現在はルーマニア、モルドバ、ウクライナ、アメリカ合衆国でも栽培されています。

 ララ・ニャグラの葡萄から得られるワインは、軽くて上質なタンニンに、ローズヒップの花、赤スグリ、野生のブラックベリーのアロマがあり抽出性が低くなっています。また酸味がやや強いため、味と香りが独特のロゼや、赤のスパークリングワインを生産するのにも適しています。ワインはフレッシュで柔らかく、果実味豊かな味わいが特徴です。時間の経過とともにドライフルーツやバニラの香りが現れます。

Rara Neagra
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Feteasca Neagra  - フェテャスカ・ニャグラ

 「黒い乙女」という意味を持つフェテャスカ・ニャグラは2千年以上の歴史を持つ古代種で、モルドバ南西に位置するプルト川の谷間に由来すると言われています。ソビエト時代に姿を消したものの、2000年代以降多くのワイナリーで植え替えが行われました。現在は、ムンテニアとオルテニアの丘、モルダビアの丘、バナト、クリシャナとマラムレシュ、ドブロジャの丘、ドナウ川沿い、トランシルバニア高原の地域で栽培されています。フェテャスカ・ニャグラはモルドバで最も栽培されている品種の1つでもあります。葡萄畑の面積は地場品種の中で3番目で、PGIで登録されている54haを含む242haとなっています(2019年12月30時点)。

 フェテャスカ・ニャグラからは特別なロゼと赤ワインの両方を作ることができます。高品質の樽で熟成された後に瓶内で熟成され、顕著な典型性を備えた素晴らしいワインになります。作られたワインには、ベリー、チェリー、プルーン、ブラックレーズンのアロマに、わずかなスパイスの香り、シナモン、ブラックペッパー、コーン、オールスパイスやバニラを彷彿とさせるアロマがあり、厚みのあるタンニンが特徴です。年を重ねるごとにより豊かでより繊細になり、熟成に向いた品種と言えます。

Feteasca Neagra
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Feteasca Alba フェテャスカ・アルバ

 フィロキセラが出現する前に栽培されていた品種で、モルドバの地でFeteasca Neagra種のクローンバリエーションとして登場しました。何世紀にも渡りモルドバの歴史的な地域で栽培されています。現在は中央地域と南部地域で育てられることが多く、モルドバではスパークリングワインの製造にもよく使用され、辛口、中辛口、中甘口の白ワイン生産に最適とされています。ルーマニア、モルドバ、ハンガリー、ウクライナ、ドイツなどの周辺国でも栽培されておりPoama fetei、Fetița、Păsăreascaalbă、Leancaなど、国ごとの名称で呼ばれています。

 モルドバでの葡萄畑の面積は固有品種の中で1番多く、登録されている370haを含む651haとなっています(2019年12月30日時点)。フェテアスカ・アルバから作られたワインは上質で繊細で、アカシアの花、野花、柑橘類、青リンゴなどの軽くて新鮮な香りを彷彿とさせます。

Feteasca Alba
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Feteasca Regala フェテャスカ・レガーラ

 「高貴な乙女」という意味を持つ、ルーマニア原産の白葡萄。Feteasca Alba と Grasa de Cotnariの品種間の自然交配から生まれた品種で、1920年代頃に確認されました。ルーマニアの多くの地域と、モルドバで栽培されています。モルドバで栽培されている面積は地場品種の中で2番目に広く、ワイン製品の生産に登録されている72ha を含む299haとなっています(2019年12月30日時点)。

 フェテャスカ・レガーラの葡萄はフローラルでグレープフルーツの香りがあり、新鮮な洋ナシと柑橘類の色合いがありますが、コクがあり、テクスチャーのある味がします。作られるワインはエキゾチックで、バラの花や野草、ドライアプリコット、アーモンドなどのフレーバーを持ちます。 ステンレスタンクで作られたものはミディアムボディ、樽熟成で保存されたものはフルボディのワインになり、強い香りと大きな熟成の可能性があります。葡萄の皮に含まれる微細なタンニンはワインに複雑さをもたらすため、フェテャスカ・アルバよりも樽の熟成に向いている品種と言えます。

Feteasca Regala
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Viorica ヴィオリカ

 1969年に、キシナウ国立研究場でセイベルとアレアティコ(イタリアの黒葡萄)の交配により生まれた品種。特にアレティコの性格を継承しています。この2種が選ばれたのは、気温やさまざまな病病、フィロキセラなどに耐えられる品種を作る目的がありました。現在、モルドバ以外ではウクライナ、ロシア、チェコ共和国、ハンガリー、ブルガリアなどでも栽培されています。モルドバでは95haの面積を占めています(非公式-152.7ha)。「ヴィオリカ」はモルドバ人の多くの女性につけられている名前です。ソビエト時代に流行したヴィオリカワイン(フェテアスカ・アルバ、ルカツィテリ、リースリング、カベルネ・ソーヴィニヨンのブレンドワイン)と混同されることありますが、ワインの名称であり別のものとなります。ヴィオリカから作られるワインは、麦わら色に緑色の反射があります。マスカット品種特有の強烈なアロマn、アカシアの花、ジャスミンの花、リンデンの花などの白い花の香りが特徴です。また、柑橘類、ライチ、若いリンゴ、砂糖漬けのアプリコット、タイム、バジル、などのドライハーブのタッチも感じることができます。

Viorica
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